味噌の効用 「味噌は医者要らず」

味噌汁が庶民の味として盛んに飲まれていた江戸時代の代表的な食の解説書
である「本朝食鑑」の「味噌」の項に、次のように書かれています。

「腹中をくつろげ、血を活かし、百薬の毒を排出する。胃に入って、消化を
助け、元気を運び血の巡りを良くする。痛みを鎮めて、良く食欲をひきだして
くれる。嘔吐をおさえ、腹下しを止める。また髪を黒くし、皮膚を潤す」と。

これはまさに超スーパーな万能薬!!

また、「味噌の三礎」という諺もあり、みそには、味の素、命の素、美の素が
含まれているという意味で、こんなすごい効用のある食品は、他には見当たりません。

○みそ汁一杯三里の力
○みそ汁は朝の毒消し
○みそ汁は医者殺し
○みそ汁は不老長寿の薬
○みそ汁はたばこのず(毒、害)をおろす
○みそで飲む一杯、酒に毒はなし

こんなことから「みそは医者要らず」といわれたのでしょう。
先人達が暮らしの中で感覚的にみそが身体に良いことを知っていたことが今一つずつ
科学的に解き明かされつつあります。

近年、医学や栄養学の分野で研究され学会などで発表された味噌の効用の一部として
魚のコゲやタバコの煙、排気ガス中の物質に含まれる発ガンと関係のある変異原をなくして
しまう性質がある。

肝臓ガンを発生しやすいマウスのエサに赤味噌を加えて飼育するとガンの発生が低下する。
またみそを混ぜて飼育したラットに中性子を照射すると、味噌を与えないラットより延命
効果が認められた。

放射性ヨードと放射性セシウムを投与すると味噌をエサとしたラットの血液、腎臓、肝臓
から放射性ヨードが速やかに排出され、放射性セシウムの筋組織への蓄積が少なかった。

味噌には酸化を防ぐ作用がある。

肝臓の過酸化脂質を防ぐ。
老化防止に良い味噌汁を飲む人は胃がんによる死亡率が低い
(味噌に含まれるイソフラボンが胃がん抑制物質)

味噌には、メラニンの生成抑制効果がある。

味噌は日本人になくてはならない食べ物、本当に身体に良い食べ物であり、漢方薬みたいな
食べ物なんだと思います。

先人から受け継いだ味噌。
これからも毎日食べ続ける食文化として大切に受け継いで行きたいです。

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前回の続きと微生物の働き

麹菌は、胞子(植物で言えば種のようなもの)から菌糸をのばしてどんどん成長し、
酵素をつくりでんぷんやたんぱく質を分解する働きをしてくれます。
微生物の働き

味噌で活躍する微生物は、麹菌の他に酵母菌や乳酸菌があります。
微生物とは、「目に見えないほど小さな生きもの」です。

実は、人間にも沢山の微生物がいます。
それは、皆さんもご存知の腸内細菌です。

地球上の生物は全て微生物がいなければ生存していけません。

植物も土の中にいる土壌菌が落葉などを分解し、根から栄養をすり上げることが出来ます。
さて、味噌の酵母菌ですが、普通の酵母菌との最大の違いは、塩分に強いということです。
パン用のイースト菌や清酒酵母、ビール酵母、ワイン酵母など酵母菌の種類は沢山あります。

しかし、このような一般的な酵母菌は、味噌のような高濃度の食塩を含む環境では生きていく
ことが出来ません。

味噌酵母(醤油酵母も同じ)は、濃い食塩の中でも生育できる特別な性質を持っています。

この性質を耐塩性といいます。

乳酸菌も同様、味噌の中で生育できる耐塩性乳酸菌です。

味噌は、麹菌の酵素を利用し、食塩を用いて、雑菌などの繁殖を抑えて耐塩性の酵母菌など
の働きによって味噌特有の風味が醸し出されます。

味噌の醗酵熟成中の変化は、主に、大豆のたんぱくが麹菌の酵素によってアミノ酸、ペプチド
等に分解されさらに、酵母菌の働きによってアルコール類が出来ます。

米などのでんぷんも麹菌の酵素によってぶどう糖などの糖に分解され、さらに酵母菌によって
アルコール類が生成され乳酸菌によって乳酸やその他の有機酸が生成されます。

また、麹菌の酵素(脂肪分解酵素)によって油脂が分解され脂肪酸やグリセロールが生成され、アルコール・有機酸と合成され芳香成分のエステル類になります。
ただし、全てが分解されているわけではなく、たんぱく質はアミノ酸まで分解された物と
中程度に分解されたペプチド又は、そのままたんぱくのまま残るものなど、さまざまな状態
の物質が混在しています。

味噌の単なる加工品との違いは、この醗酵熟成中におこるさまざまな変化にあります。

しかも微生物という自然の生命の営みによって分解・合成が複雑に行われ、原料である
大豆や米などから無限の物質をつくり出しています。

まさに、味噌の中に宇宙があります。

この複雑な醗酵熟成によって味噌特有な風味と栄養は醸し出されます。

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麹菌の働き

味噌造りをする上で麹菌の重要な働きは、麹菌がつくり出す酵素です。

どうして酵素が必要かと言うと、例えばこうじ菌がつくり出す酵素にデンプン分解酵素
があり、この酵素は、でんぷんをぶどう糖に分解してくれます。

ぶどう糖は、人間の消化管で容易に吸収されすぐにエネルギー源になります。微生物である
酵母菌や乳酸菌も同じでぶどう糖は大切なエネルギー源です。

ブドウには、その名の通りブドウ糖がたくさん含まれていて、酵母菌がブドウ糖を食べて
アルコールを造り(アルコール発酵)ワインができます。

しかし、味噌の原料である米や大豆を蒸したり煮たりしただけでは酵母菌はアルコール発酵できません。

それは、米の主成分はでんぷんであり、ブドウ糖を含まないからです。

でんぷんは、ブドウ糖が五百個ほど結合して出来ています。そのため、酵母菌はそれを食べる事が出来ません。麹菌は米のでんぷんを分解してブドウ糖をつくります。

先人達は、麹菌で麹を造る事によって醗酵が起こる事を経験的に知っていたのです。
また、麹菌は、タンパク分解酵素をつくります。

大豆の主成分であるタンパク質は、アミノ酸がつながってできています。でんぷんよりも大きな
高分子物質です。これでは、やはり微生物は利用することが出来ません。

酵素の働きでアミノ酸やペプチド(タンパク質を分解し、アミノ酸にまでならない物質)をつくり
微生物が食べられるようになります。

発酵食品-味噌

先人の知恵から生まれた味噌は、微生物の働きによって醸し出される(醸造)発酵食品。

単に食品を切ったり、焼いたり、煮たり、混ぜて出きる加工食品とは違って、発酵食品である
味噌は目に見えない微生物の働きを活かした複雑で、長い期間を要する醸造食品です。

その不思議なメカニズムについてお話します。

味噌には、その原料によって米味噌、麦味噌、豆味噌があります。

醸造工程の中でまず大切なのは、製麹(せいきく)という麹を造る工程です。
製麹は、清酒、焼酎、醤油など日本の発酵食品に共通する日本独自の製法です。

米味噌、麦味噌、豆味噌に共通する原料は大豆と塩です。

食塩と畑の肉と言われる大豆を主原料とした長期熟成させる発酵食品は、味噌と醤油だけです。

また、食塩を使用する事により、味噌独特の醗酵が行われ味噌が醸し出されます。

酵母菌や酵素が生きている昔ながらの漬物

しょうゆもろみには、1g中に約10万~100万の微生物がいます。

その微生物が、大豆、小麦を醗酵分解したアミノ酸や有機酸、糖分などの栄養がたっぷり含まれており、そのエキスが大根にたっぷり吸収されています。

スーパーで売られている加熱処理した調味漬けの漬物とは違い加熱をしない自然のままの生きている酵母菌や乳酸菌、そして酵素がそのままとれる身体が喜ぶ漬物です。

弊社では、蔵王高原大根を丸大豆醤油もろみに1年以上漬込んだ「みやぎ蔵王高原大根 本もろみ酢漬け」をご用意しております。
※塩分8%前後の減塩仕上げの漬物です。

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12月8日(土)産経新聞に弊社「みやぎ蔵王高原大根 本もろみ酢漬け」が掲載されました。

12月8日(土)産経新聞に弊社「みやぎ蔵王高原大根 本もろみ酢漬け」が「ニッポンの食、がんばれ!セレクション」第3期受賞製品として掲載されました。

この賞は、環境にやさしく、安心な国産の原料を使った製品とその製品作りを応援するもので、国産・環境・安心の3重丸と認められると「賞」が授与されるものです。

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発酵食品には栄養成分が豊富に含まれています

江戸時代の知恵として、ヌカ味噌をぬるま湯で溶かして飲むと
年中病気が防げると言われていました。

当時は、ヌカ味噌に漬けてあるナスや大根を食べるだけでなく
ヌカ味噌そのものを飲んでいました。

ヌカ味噌の原料となるのは玄米の表面をおおっているヌカです。

ヌカには炭水化物、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルが大変
豊富です。

ヌカ味噌の中には微生物が活発に活動しておりヌカ味噌1gの中に
30億もの乳酸菌・酵母などの微生物がいます。

微生物の働きにより蛋白質は、グルタミン酸などのアミノ酸に
分解されます。

アミノ酸は、旨味となるばかりでなく体をつくる大切な成分となります。

又、米ヌカには、ビタミンB1やB6などのビタミン類やカルシウム、マグネシウム
カリウムなどのミネラル類、さらに微生物がつくり出す沢山のビタミンがたっぷり
含まれ栄養成分が豊富です。

発酵食品は、豊富な栄養と乳酸菌などの微生物・酵素を含み腸内で醗酵しながら
整腸作用を行ってくれます。

日本人は発酵食品を上手に取り入れ、食べ物が十分でない時でも
耐えられた知恵がありました。

昔から健康に良いとして知られている発酵食品

味噌、醤油、味醂、つけもの、甘酒、米酢、かつお節などの
日本独自の醗酵食品は、「こうじ菌」の働きによってつくられます。

「こうじ菌」には非常に強い抗酸化力があると報告されており
また、がん細胞の抑制効果があることも分かってきています。

鉄がサビる様に老化は体が酸化する事ですが、生きて行く上で酸素は
必要で老化は退けられませんが、発酵食品には必要以上の酸化を抑える
抗酸化力があります。

湿度が高くカビが生育しやすい日本の気候風土から生まれた「こうじ菌」
の働きを利用した日本の発酵食品は、
国立がんセンターの平山雄先生による「味噌汁を飲む人ほど胃がんによる
死亡率が低い」という発表など今日、老化予防や機能性に関する研究が
行われています。

健康と長寿に役立って来た発酵食品

球上のあらゆる生物は、微生物がいなければ何一つ生存して行けません。

植物にしても、土壌菌という土の中にいる微生物が落ち葉などを発酵分解
する事によって、根から栄養を吸収する事が出来ます。

人間にも沢山の微生物がいます。
それは、腸内細菌です。

腸の中には100兆個を超える微生物がいます。
生まれたばかりの赤ちゃんには、腸内細菌は0です。

それが、お母さんの母乳を飲み、離乳食を食べる事によって少しずつ腸内細菌が
増えて来ます。
生まれ育って来た食べ物によって腸内の菌が増えて来ますが、そこには
善玉菌と悪玉菌がいます。

善玉菌の代表はビフィズス菌などの乳酸菌で食物を分解してくれます。
この時乳酸や酢酸をつくり腸内を酸性に傾け、悪玉菌の増殖を防いだり
病原菌の侵入を阻止したりします。

一方悪玉菌の代表はウェルシュ菌です。
肉や卵などの高脂肪、高蛋白質が十分に消化されないまま腸内に送り込まれて
くると、そこで悪玉菌によって腐敗します。

悪玉菌がつくったアンモニアや硫化水素といった有害物質がたくさん作り出され
これが腸から吸収されると肝臓を痛めたり、肌荒れ、頭痛、下痢、便秘、高血圧、
動脈硬化、老化、成人病などを促進するもとになります。

腸内で善玉菌を優勢にする事によって全身の健康状態が良好に保たれます。

善玉の乳酸菌は、食品からも体内に取り込まれます。
漬け物(ヌカ漬けなどの醗酵菌がいる漬け物)、みそ、しょうゆなどの発酵食品には
乳酸菌が豊富なので、腸の中で善玉菌の勢力を増やすのに役立ちます。

しかし、食物からとられた乳酸菌の効果を一時的なので、発酵食品は毎日欠かさずとりたい
ものです。

反対に、悪玉菌を増やさないようにするには、悪玉菌のエサになる高脂肪、高蛋白の食事を
控えることが大切です。
日本型の食生活が日本人の体質にもあった食事といえます。

先人達は、発酵食品が健康に良いことを経験的に知っていて健康と長寿に役立てて来ました。

近年そうした発酵食品の機能・効果が科学的にも明らかにされてきています。

醗酵と腐敗

発酵食品は、腐った食品と思っている人もいますが・・・。
確かに、醗酵と腐敗は、どちらも微生物(カビ、酵母、細菌など)
が生きるためにおこす生命現象です。

例えば、牛乳をそのまま放置しておくと、悪臭がして飲めなくなります。
牛乳に腐敗菌が入り込んでしまうためで、この場合は腐敗です。

牛乳に乳酸菌を入れると、ヨーグルトやチーズになります。
この場合は醗酵です。

牛乳を腐らせる腐敗菌も醗酵させる醗酵菌も微生物で、どちらも
生きるための活動です。

人間にとって役に立つのが醗酵菌で、役に立たないのが腐敗菌という事です。

先人の知恵によって生み出された発酵食品は、微生物の働きを巧みに活かし、
人々の健康を支えるのに役立ててきました。